• インタビュー

【Interview】「DXの先にある未来社会のビジョン ~データ解析で世の中を変える~」

目次

 「データ解析で世の中を変える」をテーマにしたデータフォーシーズの無料オンラインカンファレンスとして、『DataAnalytics Conference2022を2022年6月15日(水)に開催いたしました。

どのプログラムも大変好評頂きましたが、中でもTVでコメンテーターとしてもご活躍しているデータサイエンティストの宮田裕章氏にご登壇頂きましたご講演
「DX(Digital Transformation)の先にある未来社会のビジョン ~データ解析で世の中を変える~」、弊社社員との対談、そして視聴者様からの質疑応答は最も多くの方にご視聴頂きました。

 こちらのページでは宮田氏のご講演の中から、弊社社員との対談を披露しております。
ライブ感あふれる内容でございますので、是非ご覧下さい。

  • Hiroaki Miyata

    宮田 裕章

    1978年生まれ 慶応義塾大学 医学部教授
    専門はデータサイエンス、科学方法論、Value Co-Creation

    データサイエンスなどの科学を駆使して社会変革に挑戦し、現実をより良くするための貢献を軸に研究活動を行う。専門医制度と連携し5000病院が参加するNational Clinical Database、LINEと厚労省の新型コロナ全国調査など、医学領域以外も含む様々な実践に取り組むと同時に、経団連や世界経済フォーラムと連携して新しい社会ビジョンを描く。宮田が共創する社会ビジョンの1つは、いのちを響き合わせて多様な社会を創り、その世界を共に体験する中で一人ひとりが輝くという“共鳴する社会”である。

  • Nobuyuki Hukui

    福井 伸行

    株式会社データフォーシーズ
    ヘルスケアユニットリーダー、上級データサイエンティスト

    千葉大学大学院理学研究科基礎理学専攻にて博士号を取得後、データフォーシーズに合流。ライフサイエンス分野について多岐にわたるデータ解析プロジェクトに従事。その支援スコープは製薬会社をはじめ、アカデミックな研究機関にも及ぶ。

  • 福井

    本日宮田先生とディスカッションさせて頂けるということで、これまでいくつかヘルスケアのプロジェクトを手掛けてきたと言う事もあり、大変楽しみにしておりました。本日は宜しくお願い致します!

  • 宮田

    宜しくお願いします。

  • 福井

    まず、今回お話いただいた内容(※①)に関して、私が非常に面白いと思った点についてお話させていただきます。
     多様性の中で色々なひとが小さいコミュニティーや個々の生活スタイルに合わせて、価値を提供していくと言う事に対して、大きな企業がデータを分析することにより実現していくと言う事ですよね。これは、小さなコミュニティに対するアクションなんだけれど、非常に大きなフィールドでないと対応できない様なものであるという所が非常に面白いと思いました。
     GAFAの様な大きな企業がそういった個々のデータ分析をすることは、個々のユーザーがそれぞれ価値を感じるものを提供することで成り立っていると思います。それが、日本では中小企業が多く、小さな企業が小さなコミュニティに対して価値を提供する事が実現しにくいのではないかと思ったのですが、ここに関してはどの様な取り組みがなされていくのでしょうか。

    ※①2022/6/15開催のオンラインカンファレンス「Data Analytics Conference 2022」内の宮田裕章氏の講演プログラム「DX(Digital Transformation)の先にある未来社会のビジョン ~データ解析で世の中を変える~」

  • 宮田

     そうですね、そういう意味では日本にも本来色々な可能性があるわけです。例えばAmazonはAWSを生んだわけですよね。利益率はそちらの方が高くなっていますが、当時のテックジャイアント達は日本の企業が本気になってCloudをやったら敵わなかったって言う話があるわけですね。あるいは、スマートフォンが発売された時、日本の企業は、「あれは技術イノベーションではないじゃないか」、「カメラも液晶ディスプレイも日本の方が上だ」と。その二線級のものを集めて組み合わせたことによって全く違うイノベーションが起きたわけですね。

     同じ様に、今電気自動車のEVって言うのは、所謂エンジンを電気型駆動にしただけではなく、車がIoTになったっていうところもあるんですね。トヨタを始めとした日本の企業、本来は優位性が非常にある所なんですけれど、そこのシフトっていうのが日本は少し遅れが目立っている。日本の強みって、今持っている強みを転換してどの様なレイヤーを作れるかにおいてはまだまだ沢山チャンスがあるという風に思います。分かりやすい例としては、映像コンテンツを新しく個別に作るって言う所で言うと、Netflixです。Netflixは、ハリウッドを始めとする映像文化があるからこそ圧倒的にアメリカが強かった。では今、例えば食のコンテンツで言うと、日本は観光で世界一の評価を取っていますが、その一番の理由は世界一の食なんですよね。これをどういう”テック”に出来るのか。ここには日本にしか無しえない可能性が本来あるわけです。ただ、これに手をこまねいていると多分海外の食のフードテック企業に全部蹂躙される可能性がある。

     別のカテゴリーで例えると、アニメですよね。今まさにソニーの関連会社のアニプレックスが250人で2,000億円の利益を1年であげると言う、すごい状況になっています。しかしそれもある種、アニメコンテンツなどをどの様にデジタルに転換できるのかと言うところでも、もう一・二段展開があるわけですね。そこを掴めるのか、と言うことです。

     これらは単に事例でしかないんですけれども、日本にはまだポテンシャルはまだあるしそれは海外のものをそのまま真似するという事ではなくて、ユニークなものと結びつけるって言ったところにも可能性があるんじゃないか、と思います。

    福井さんのご専門のヘルスケアですが、ヘルスケアについても同じですね。少子高齢化人口減少の中で日本は高齢者に対する医療と言う事で、年間の公的な医療費も40兆円、結構前に超えてますけれども、お金を投資して医療に新しいイノベーションを起こせる様な市場や土壌作りをするか、若しくはこれを単に浪費するだけのものにするのか。これによっても可能性が相当変わってくるんじゃないのかな、と思います。

  • 福井

     「健康」であったり、「観光」や「食」をキーワードとして挙げていただいたわけですけれども、先程(※①)のPING AN保険をお話の中で、ユーザー体験が重要だと言うお話をされていました。
     少し話が飛びますが、私は健康に対する価値を提供するってなった時に、例えばBtoCの事業でカスタマー向けに「あなた健康になりますからそこにお金払ってください」と言ってもなかなかそこに対してお金が出てこないって言うのはあるんじゃないかなと思っていました。ただ、先程の宮田先生のご講演の中でのPING AN保険の事例を示して頂いて気付いたことが、これは顧客を直接健康にすると言うよりは、体験を提供しているという様なものなのかなという風に受け取ったのですが、これはそう言う認識で合っていますか?

  • 宮田

     PING AN保険はもう少しプリミティブな部分を含んでいます。と言うのは、中国は医者のレベルが様々なんですよ。近くにある病院がいい病院かどうかは見えてない状況で、病院ランキングと言うのもひとつの指標でしかないわけです。周囲のひとに合った病院をどう選ぶのかは簡単ではなく、中国においてはそれがより厳しい状況なんですね。PING AN保険は、マッチした医者に連れていってちゃんと元気で帰ってもらう、と言う感じで、結構切迫した部分ていうのを解決できる様な重要なソリューションになっていったんですね。そこから健康な時の情報をAIを使って今データドリブンで生きることを支えるサービスに変化しているって言うのは重要な状況です。

     同じ様に日本だと住友生命のVitalityがまさに健康な時からどう支えるのかって言ったところで、保険の掛率と言う具体的なインセンティブでドライブして、100万人のユーザーを持っていると言う事なんですよね。これは一つの事例ですが、金銭的なモチベーションでサポートするという事もある、あるいは、楽しさとかやりがいとか生き甲斐ですとか、そう言った中で健康をドライブしていくっていう事も出来るのではないか。つまり「健康になりますよ」って悪い事ではないのですが、そもそもその価値がちゃんと伝わってないわけですね。長く健康に働くことによって保険掛率に繋がると言う金銭的価値に落とし込んで解釈を変えるという事だったり、あるいは最近Appleが力を入れているスリープテックみたいな事ですよね。鬱になったりバイオリズムが崩れて糖尿病とかになる手前で、自分自身のパフォーマンスを発揮すると言う点において質の高い睡眠をしっかり取っていきましょう、と。それは病気にならないだけじゃなく、今自分が生きているこの働き甲斐を高める力にもなる、とも解釈できるわけです。これは健康に関する様々な側面なので、健康なひと達が実感できる形で、フィードバックループを回す様なビジネスモデルを作れるかどうかっていうのが例えばヘルスにおいてはこれから重要になるんじゃないか、と言う感じですよね。

  • 福井

     企業がそう言ったサービスに乗り出していこうと言う時にそう言ったメッセージをどうやって届けていくかっていう所もちゃんと考えていかなければいけない、と言う事になりますか?

  • 宮田

     そうですね、実感ですよね。
    これは一例ですが、日本のマイナンバーが大失敗したのは、マイナンバーカードを普及させたいという行政のKPIを押し付けたからなんですよね。押し付けるのではなく、それがあったら何ができるのか、と言う事を上手く伝えればよかったのではないか、と。例えば「マイナンバーカードがある人は給付金申請しなくても、振り込みますよ。マイナンバーカードがない人はきちんと給付金の申請をしてチェックして何週間かかかります。」と言う事だったりするわけですね。
     そのあたりの連携フローを上手く対応したのが、似たような事例ですがWeChat PayのTencentですよね。高齢者はそう言うサービスに置いてかれがちですが、お年玉をWeChat Payで送ると孫にダブルポイントが付く、と言う背景があり、すると孫たちが「WeChatPayでくれないとやだ」と言って孫の喜ぶ顔の為にシニアが必死に覚えて、1か月で数億人ユーザーを増やすという歴史的な成功を収めたキャンペーンがありました。
     BtoBの中で意味のあるアルゴリズムを回すって言う事も大事なんですが、それだけじゃなく、体験価値にも引っ掛けながらデータ解析を回していくって言う事が、所謂UXデザインみたいな所に我々データサイエンティストもある程度関与して行く必要があり、関与していかないと、いいものを作っても回らないっていうケースがあるんですね。日本では特にそう言う事が多かったんじゃないかなって思いますね。

  • 福井

     途中のご講演(※①)の資料の中に、データを集めていくって言う時にその目的思考とかデザイン思考だとかに基づいてデータを集めていかないといけないという話もありました。今のお話もそうだったのですが、データサイエンティストがそう言う目的思考とかデザイン思考とかヒューマンスキルを持ってデータを見ていかないといけないのかなあと思うのですが、そう言ったものはデータサイエンティストがその様な教育を施された上でそいう言う思考ができる様になっていくのが理想的と言う事でしょうか。

  • 宮田

     分業っていうものもあるので、どういう風に考えるかなんですが、もちろんAIとかPythonの解析技術が圧倒的なデータサイエンティストがいるって言う事もすごく大事です。ですが、日本の現状はそういう人がいたとしても活躍の場がないわけです。且つデータサイエンティストが現場で技術を奮いまくる様なひとだけでビジネスやプロジェクトが発展していくかっていうと、そうではないわけですよね。結局それを社会の中にどう位置付けるのか、どう集めてくるのか、という様なスキルが上位職になる段階で絶対必要になりますね。

     あるいは、分析をするチームだけじゃなくて、データをどう集めてきてどういう形でクオリティの高いデータをマネジメントするのかっていうデータマネジメント専門も実際あるわけで、それも広義ではデータサイエンティストになるということですね。データプロジェクトで失敗しがちなのは、「最終的にいろいろなデータが集まったらこれで価値を生むからこうゆう完成形のビジネスモデルを描いて、じゃあデータ下さい」って言っても全然集まらないんですよね。

  • 福井

    確かにそうですね。

  • 宮田

     例えばGoogleやFacebookと同じ様なビジネスを、スタートアップ企業が最初からやろうとしても成功するわけがないですよね。彼らも最初からそんなビジネスモデルを持っていなかったんですけども。

     即ち、データを集める段階でユーザー自身が信頼を持ってそこにデータを預けたいあるいは預けても仕方が無いと思える様なフローが作られてないといけないわけですね。Facebookは人と繋がれる楽しさとか今までにない喜びがあってデータを蓄積してユーザーがどんどん増えて、その先に、そのデータを使うと今までとは比較にならない精度のAdTechが使える、と言う事ですよね。なので、人と繋がれる喜びの部分のデータ解析をしっかりやりながら、それを束ねた時に今度どういうビジネスが出来るのか、そしてその次の段階として、集まってから初めてできるようなものになる、あるいはシェアを取ってから初めてビジネスバリューができる様なものになってくるわけですね。

     データに関連したビジネスの設計をする時は、ファーストフェイズとレイトフェイズ、あるいはミドルフェイズもあって、全体設計を踏まえた上で、プラットフォームだったりあるいはUXであったり、そういったものを回していかなくちゃいけないし、そういう視点でデザインしていくって言う事も必要になるんじゃなかな、と思います。それを誰が担うのかと言う点においては、もちろんデータサイエンティストでもいいし、アントレプレナー、つまり起業家たちがデータサイエンスのこのエッセンスを理解した上でビジネスモデルを描いていく、どちらもいいと思います。いずれにしても、データサイエンティストが、目的思考とかデザイン思考とかヒューマンスキルを持っておいて損はないスキルだと思います。

  • 福井

     そう言った目的志向とかの教育って言うのはアカデミアの方でもデータサイエンティストの育成に考慮されたり取り組まれたりはされているのでしょうか?

  • 宮田

    アカデミアって括った時にそれをどういう範囲で言うかにもよりますが、少なくとも我々がかかっていることにおいては絶対的に大事ですよね。まず問いを立てる能力、そして問いを立てた時にどうデータを集めるか、と言う事が重要です。効率よくデータが世の中に転がっていればそこへアクセスを取るわけですが、データをくれって言ってもくれないので、信頼をどう得るのかが必要になり、彼らとの成果物や目的の設定が重要です。
     そして、もう一方の分岐として、データがない時にはどうするか、と言う事です。データをどう作ればいいのか、そしてその時の資金を自分で集めてくるのか、あるいはそのデータを集める事によって利益を得る、あるいはモチベーションがあるステークホルダーと組むのか。ここは設計するっていう所から我々がデータサイエンティストの育成を始めると言う感じですね。

  • 福井

     今仰ったそのデータをどこに取りに行く、あるいはデータをもらうにあたってどういうインセンティブを逆に返したらいいのかって言うのは先程のお話の中にもあったデータ競争社会というものと繋がっている?

  • 宮田

     そうですね。Web3にこれから移行していく中で今まではデータを独占して富を独占する、あるいは、デジタル社会に移行する中で集まってしまった、或いは、上手く集めたデータで金に換えるみたいなところがひとつのやり方だったわけです。ここから先はWeb3、つまりひとりひとりがアクセスを持ちながらデータの追跡可能性だったりその使われ方が問われるということになっていくと、より信頼の中でどう使えるかっていうそのスキルが、企業にとっても研究者にとってもデータサイエンティストにとっても必要になってくるので、そこのリテラシーって言うのは、少なくとも大事になってくるんじゃないかな、と思います。

  • 福井

     ご講演の途中のスライドでEUのデータ管理の話が出て来ました。そこではEUはどちらかと言うとデータは個人のものであると言っている所で、いま仰ったようにデータをオープンにしていく、どこで使われているかっていうのを、トレースしていくって言う事なんですけれども、ここは何か技術的な何かによって解決、ある意味個人が持っているクローズなものと、オープンになっているものをどう融合させていくのでしょうか。

  • 宮田

    ここは二つの路線ですね。
     所謂ビッグステークホルダーが持つと言う中国とアメリカのやり方に対して、個人がアクセス権を持つって言う形がEUです。それは理念としてすごく正しかったのですが、結局何が起こるかっていうと、ひとつひとつ同意を取っていくと使い物にならなくて、経済が止まるって言う話なんですね。いま彼らは所謂コモンズスペースとか、ドイツでも国境を越えてデータを共有する仕組みみたいなものを作ったりしているんですね。

     つまりアクセス権だけではなく、どう共有の中で運営するかみたいな所にかなり力を入れ始めていて、その初期のGDPR(※②)とEUの方針が見落としていたのが、共有の中でどう使うかっていう実運用が全く考慮されていなかったんですね。ここが必要になってくるわけですが、その時に大事なのは、残念ながら日本にはまだないのですがデータアクセス権(Right to Access)を確立するのがひとつです。

     そして、Interoperability=相互運用性と言って所謂中央集権型のシステムではなくて分散型でAPI認証などをしながら、それぞれが相互に稼働できる様な技術要件を獲得していく、と。それが時にデータを分散させながらも必要な分だけかき出して匿名処理で分析をしていくとかですね。色々な分析方法があると思うのですが、この技術要件を統一しながら運用出来る様にしていくと言う様な法律部分と技術面両方が今大事になってくると言う事ですね。
     イギリスなどでは、例えばヘルスケアのデータだと5年前は日本と同じぐらいカルテは使えない情報だったのですが、今はこの両面やってます。彼らは発注の時に技術要件をコントロールします。繋げない様な形で発注したらお金払わないぞ、と言う形でやりつつ、しっかり法律要件の中でアクセスを確保していくという事で今かなり繋がって分析が出来る様な所まできているんですね。そう言ったデータのおかげで我々はワクチンの効果、所謂2回目接種でどれぐらいだったか、オミクロンがどれくらい感染したのかが追える様になったわけです。イスラエルとイギリスのデータに世界はほとんど依存しているので、アメリカでもそのあたり全然追えなかったんですね。だから、その様な恩恵を受ける事が出来たと言う事なので、彼らが先行で作った様なデータ解析の基盤だったり考え方と言うのはすごく有益かな、と思いますね。

    ※②General Data Protection Regulation:一般データ保護規則

  • 福井

     では、日本もどちらかと言うとそう言う方向に進んでいくと思われますか?

  • 宮田

     残念ながら独占型プラットフォームはいないですからね。中国型、アメリカ型って言ってもそれで何も実現できないので。一方で、中国の企業はほぼいないですが、GAFAはいるわけなので、彼らと共存しながらデータしていく上では高クリエーション、高イノベーションと言う様な形の中でデータを共有しながら解析していくって言うスタンスを取らないといけないだろう、と。ただその時に、共有すると言っても全部を共有する必要はなくて、データの内の5%とか数%共有するだけでものすごく有益なコラボレーションが生まれるわけですね。共有する部分と独占する部分というものをどう切り分けて運用していくか。で、その設計思想がすごく大事になるかなと思います。

  • 福井

     今日色々な企業の方がいらっしゃっているわけで、私は宮田先生のお話をお伺いすると、企業が全部のデータを出していかないといけないのかな、と言う風に最初は受け取ったのですが、今仰ったように本当に数%でいいと、なると企業の方にもそこをチャレンジしていこうと言うような考えになって頂けるのかなあ、と思いました。

  • 宮田

     そうですね。我々もデータベース、5000病院が参加しているデータベースを運営していますが、全部出せと言われたら活動できませんもんね。ただ、感覚としては数%ですね。出涸らしと言うか、うちでは使う余地がないと言う5%出しても、社会にとってはものすごく意味があるんですよね。中国の事例を見ていても、テックジャイアントたちの事例を見ていても、本当にその通りだと思います。独占のみの考え方で集めるとどこまでいっても冒頭おっしゃられた様に小規模のプレイヤー達が牽制し合いながら何も生めないと言う状況になってしまうので、何か飲み込むようなものが出てきてそれを海外企業である、みたいな、そう言うケースをただ待つだけになるので。共有する範囲を決めながら、いかに共創、高イノベーションしていくか、って言うのがすごく大事な部分になるのではないかと。

  • 福井

    本日は貴重なお話をありがとうございました。
    是非また対談の機会を頂ければ嬉しいです。